CarSim/TruckSim/BikeSim 2019.1でのユーザープログラミングを拡張

VehicleSim

2019.09.17

メカニカルシミュレーションニュース

Mechanical Simulationは、実車試験結果を再現する忠実性の高い数学モデルを提供し、かつコンピューター上の実行が速くハードウェアインザループ(HILS)でのリアルタイムシミュレーションにも十分対応することでよく知られる車両運動シミュレーションツールCarSim、TruckSimおよびBikeSimの2019.1バージョンをリリースしました。
 
自動車業界によるADAS(先進運転支援システム)や自動運転に対するサポート改善の必要性が高まる中、それに対応して交通車両や歩行者といったシミュレーション内の他の移動オブジェクトのカスタム制御を提供するニーズが存在します。
シミュレーションモジュールにはVSコマンドと呼ばれるスクリプト言語が含まれ、移動オブジェクトの制御、検知された信号を基にしたアクションの定義や、他のアプリケーションでの使用が可能でした。
 
製品開発エンジニアのJames Beyer曰く、「VSコマンド言語はADASアプリケーションが注目される以前に作成され、主に新たな出力変数を定義して限定的な計算を提供するのに使用されました。」最大200の移動オブジェクトと99のADASセンサーをサポートする最近のバージョンでは、上級ユーザーがシミュレーション機能の拡張のために提供することができるより多くのオプションへのニーズが増してきました。
 
ユーザーは、VSコマンドを用い自立的な方法でモデルを拡張することができます。これは、ソルバーフレームワーク内で行われ、外部リソースを必要としません。
ただし、VSコマンドには制限があり、一般的なプログラミングツールやテクニック(ループ、文字列、サードパーティパッケージへのアクセス等)の中にはVSコマンドを使用するだけでは問題となるものもあります。
 
ソルバー内で実施されたより複雑なモデル拡張をサポートするため、VSソルバーは2018.1以降内部(組み込み)Pythonインタプリタをサポートし、それ以来この機能に対する改善を継続してきました。
2019.1では、Linuxソルバー向けの機能を追加し、幾つかの簡易な事例と組み込みPython機能をどのように利用できるかを示す付加的なドキュメントを加えました。
現在、組み込みPythonはRTシステムアプリケーションには提供されていません。
 
組み込みPython の改善に加え、VSコマンドはユーザーが作成可能な定義済みのVS関数を考慮するよう拡張されました。
定義済み関数は、新たなIFコマンドと一緒に、コマンドのグループの条件付き実行を可能にします。これにより、シミュレーション中に状態が変化して複数の変数の更新が必要となる場合に、より簡易でクリーンなコードが可能になります。「定義済み関数の利点は、それがVSコマンド自体への拡張であり、Windows、Linux、そしてRTの全プラットフォームで動作することです。」とBeyerは述べます。


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※本文章はメカニカルシミュレーション社が発行したニュースレターを基に、バーチャルメカニクスが翻訳編集加筆を行っております

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