メカニカルシミュレーションニュース
Mechanical Simulationが、車両シミュレーションツールCarSim®、TruckSim®、BikeSim®の2020.1バージョンのリリースを発表しました。
VehicleSim®製品のCarSim、TruckSim、BikeSimは、 長年にわたり、実車試験の結果を再現することができる高精度な車両運動用の数学モデルを搭載してきました。この数学モデルは実行が速く、ハードウェアインザループ(HiL)でのリアルタイムシミュレーションにも十分対応し、数十万のシミュレーションが関わる大規模な最適化プロジェクトをサポートすることも可能です。
このリリースには、先進運転支援システム(ADAS)および自動運転(AD)テクノロジーに向けた新規機能や改善機能が盛り込まれています。CarSimとTruckSimには、1つのVehicleSim数学モデルで高精度な車両を最大4台まで動作させることができるオプション機能があります。車両は互いに感知し反応しあうことができ、また、各々がマルチボディダイナミクスやパワートレインなどを備えた完全に詳細化された車両モデルを持ちます。モデル全体として4台の車両を持つとしても、シミュレーションは依然としてリアルタイムよりも速く実行されます。
CarSimは、新しい事例をEuro NCAP(ヨーロッパ新車アセスメントプログラム)のAEB(自動緊急ブレーキ)VRU(道路使用弱者)の模擬テスト形式で受け取ります。このEuro NCAP AEB VRUのテストスイートからの事例は、大人が助手席側から飛び出してくるCar-to-Pedestrian Nearside Adult 25% (CPNA – 25)と子供が助手席側から飛び出してくるCar-to-Pedestrian Nearside Child 50% (CPNC -50)試験です。
パス検出器が改善され、瞬間プレビューパスを作成します。クロソイドセグメント(オイラー螺旋)を近似するよう3次多項式が構成されます。プレビューパスの出力には、曲率、曲率の変化率、そして車両に相対するパスの横方向オフセットが含まれます。実装ではカルマンフィルターを使用し、ノイズの多いターゲットポイントの測定に基づいて曲線適合を予測します。
VS Terrainユーティリティが更新され、複数の路面ファイルを1つの統合された路面システムにマージします。これにより、ユーザーはより複雑で現実的なシミュレーション環境を簡単に作成することが可能です。
CarSimとTruckSimのVehicleSim DynamicsプラグインがUnreal Engine 4.25に対応するよう更新され、Unreal nDisplayクラスタをサポートして複数コンピューターでのアニメーション環境のレンダリングを可能にします。
Mechanical Simulationは、CarSimのフロントサスペンションにおける仮想ステアリング軸(VSA)またはダブルボールジョイントの導入を含め、車両モデルに大幅な改善を実施しました。
過去のバージョンでは、タイヤの転がり抵抗の路面係数は定数でした。現在は、係数がタイヤの位置に応じて変動します。
BikeSimに、リアスイングアームの捻りコンプライアンスが備わっています。この自由度の追加は、より現実的な結果の提供を支援します。
CEO兼最高技術責任者のMichael Sayers博士は、「VehicleSimの2020.1リリースを利用することで、ADASや自動運転の開発者は、ほとんど手間をかけずに最高品質の車両運動を素早く取り込むことができます。かつてないほど簡単に、圧倒的なシミュレーションのパワーをエンジニアの手に委ねることができます。」と述べています。
※本文章はメカニカルシミュレーション社が発行したニュースレターを基に、バーチャルメカニクスが翻訳編集加筆を行っております
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