メカニカルシミュレーションニュース | 2022.3.2
車両運動力学シミュレーションパッケージ「TruckSim」は、ユニークで複雑な車両システムのシミュレーションが可能なソフトウェアとして長い歴史を持っています。2022.0のリリースに伴い、TruckSimはヒンジ付き牽引バーオプションを導入し、より幅広いコンビネーション車両をサポートすることでソフトウェアの機能を大幅に拡張しています。これにより、ユーザはヒンジ付き牽引台車が必要かどうかを評価する事が可能となります。
牽引バーの前部はピントルフックまたはヒッチボールで牽引車両に接続し、牽引バーの後部はピッチでメイン台車のスプラングマスフレームにヒンジで固定されています。このピッチの自由度を追加することで、ピントルの取り付け高さの範囲が広がり、台車のスプラングマス本体がピッチ軸の周りを回転しても先行車のピントルやヒッチボールにピッチ反作用のモーメントがかからない、5輪ヒッチではなくターンテーブル式のボールレースへの対応が向上するなど、車両運動力学の観点からいくつかの利点が得られます。
ピントルヒッチの取り付け位置を下げることで、後方への増幅を抑えることができ、ヒンジによるピッチの自由度により、不整地での台車の追従性が良くなります。一方、硬い牽引バーでは、段差や高低差を走行する際、台車が先行車両に持ち上げられる危険性があります。
ヒンジ式牽引バー台車の欠点は、軽荷重の場合、ブレーキで後輪の車軸が浮き上がりやすいことです。
車両運動力学者にとって、個々の用途に応じたヒンジ式牽引バーの利点と副作用を比較検討する機能は重要です。TruckSim を使ってシミュレーションできることで、エンジニアはリスクなしに複数のオプションを素早く比較することができます。
0.2mの段差を乗り越えると、硬い牽引バー台車のタイヤが路面から浮き始めます。
ヒンジ付き台車のタイヤは、トラックが0.2mの段差を越えても路面に接触したままです。
TruckSim製品についての詳細はこちら
製品に関するお問い合わせ、お見積り、ご相談はこちらから
※本文章はメカニカルシミュレーション社が発行したニュースレターを基に、バーチャルメカニクスが翻訳編集加筆を行っております
※ 記載された会社名・商品名・製品名は、各社の登録商標または商標です