講義の進め方
- オンデマンド配信による講義です。ご自身のご都合に合わせて繰り返し受講可能です。
- 理論の解説および例題による検証を行います。
- 各講師による自動車開発におけるトレンドや新たな技術も織り込んで行きます。
- 教材は「Fundamentals of Vehicle Dynamics」を元にオリジナルの教材を使用します。
- 日本語での講義になります。
- いくつかの講義を受講後、受講生の皆さんにオンラインで集まっていただき質疑応答の機会を設けます。講義の中での疑問点や普段社内で聞けない悩み事に講師からアドバイスを受けられます。
教材の紹介
本講座で取り上げる Gillespie 博士の書は、SAE ( 米国自動車技術者協会) が保有する数十万件の要素技術がまとめられた、車両システム全体をとらえやすい書として定評があります。セミナーの受講とあわせてお読みいただくことを推奨します。
講師の紹介
三名の講師が様々な角度から車両運動を解説します。
講座のハイライト
<直進性能>
- 各状態におけるフロント車軸とリア車軸の荷重計算
- 積載荷重下の車両重心位置計算
- エンジン動力限界とタイヤ駆動力限界による直進加速性能の計算
- 各ギヤ比の決定と加速性能計算
- 前輪駆動車と後輪駆動車の性能比較
<コーナリング性能と転倒性能>
- タイヤとサスペンションが「Understeer Gradient」に及ぼす影響
- 前輪駆動がコーナリング特性に及ぼす影響と車両設計パラメータ
- 定常状態と過渡状態の転倒閾値計算
- 転倒時の転倒過程とサスペンションの相互作用
<乗り心地性能>
- 車両の乗り心地性能の予測と改良法
- 車両と車輪の共振周波数計算
- ピッチとバランス周波数計算
- 「路面粗さ入力、タイヤ・ホイールの非均一性、車体への直接入力」に対する共振周波数の計算
<操舵系とサスペンション系>
- 操舵系の基本部品とサスペンションとの相互作用
- ロールステアとバンプステアの抑制法
- キングピンキャスタ角、傾斜角及びスクラブ距離とハンドル反力の計算
- サスペンションの各種形式とアンチダイブ、アンチスクワットの力学
- 各種サスペンション形式でのロールセンターの求め方
Fundamentals of Vehicle Dynamics 目次(抜粋)
第1 章:序論 担当講師:米川
車時代の黎明期、車両運動序論、モデル化の基本的手法、動的車軸荷重
第2 章:加速性能 担当講師:米川
動力限界加速、エンジン、パワートレイン、トラクション限界加速
第3 章:制動性能 担当講師:米川
基本式、制動力、ブレーキ効力係数、タイヤ路面間摩擦、連邦規則、ブレーキ調整弁、ABS 、後輪ロック、ペダル踏力ゲイン
第4 章:走行負荷 担当講師:武馬
空力(抗力、横力、揚力)、転がり抵抗
第5 章:乗り心地 担当講師:武馬
加振源、路面粗さ、伝達系加振、車両応答特性、アクティブ制御、乗り心地
第6 章:定常旋回 担当講師:米川
低速旋回、高速旋回、コーナリングの式、アンダーステア勾配、特性速度、臨界速度、横加速度ゲイン、ヨー速度ゲイン、サスペンションのコーナリングへの影響、アンダーステアの総括
第7 章:サスペンション 担当講師:武馬
リジッド車軸、独立サスペンション、トレーリングアーム、SLA サスペンション、スイングアクスル、アンチスクワット、等価トレーリングアーム解析、四輪駆動、アンチダイブ、ロールセンター、アクティブサスペンション
第8 章:ステアリング系 担当講師:武馬
リンク機構、ジオメトリ誤差、前輪ジオメトリ、力とモーメント、操舵系のモデル、操舵系の例、前輪駆動、トラクション力の影響、四輪操舵、低速旋回、高速旋回
第9 章:転倒 担当講師:米川
剛体車両の静的転倒モデル、サスペンション車両の静的転倒モデル、事故
第10 章:タイヤ 担当講師:牧田
タイヤ構造、タイヤサイズとロードインデックス、タイヤ座標、力の発生、トラクション特性、コーナリング特性、キャンバスラスト、アライニングモーメント、制動とコーナリングの重畳、コニシティ、プライステア、タイヤ振動
修了書の発行
各章の講義ごとに、修了証を発行致します。
車両運動力学のプロとして自信を持って業務を遂行していただき、後輩達への道しるべとなって下さい。